電験三種の勉強法については、以前も書きましたが、
今は、以前と事情が変わってきています。
何が変わったのかと言うと、試験問題が大きく変わりました。
具体的に言うと「過去問の使い回し」が行われるようになったことです。
以前は「過去問と同じ問題」が出題されることはなかったので、これはとっても大きな変化です。
試験制度の変更
電験三種 は2020年度から試験が年2回に、そして翌年にCBT 制度の導入があり、
それに合わせて「過去問と同じ問題」が出題されるようになりました。
試験が年2回 、そしてCBTの導入により、今までよりも多くの問題を用意する必要があります。
その影響から「過去問の使い回し」になったのでしょう。
試験センターとしては、
「新しく問題を作らなくても、すでに多くの問題があるのだから、過去問を使い回せばいいじゃないか・・・」
こんな結論になったのではないでしょうか?
メインに使用する教材は
以前は「電験3種では過去問と同じ問題は出題されないので、過去問を勉強しても無駄」なんてことを言っている人もいましたが・・・
今は過去問と同じ問題が出題されるので、 過去問の勉強をすることに何の疑問もありません。
今後は、過去問題集こそ、メインに使用する教材です。
以前は、参考書を読み込みこんで内容を十分に理解し、
その後(あと)は、過去10年分の過去問題集を解き進める。
このように勉強を進めていた人が、多いと思います。
しかしこれからは、参考書の内容をある程度 理解した後は、
過去問題集の勉強をメインに進めるのがいいでしょう。
以前との違いは、 参考書に費やす時間です。
以前は新規の問題しか出題されなかったので、
参考書の内容を十分に理解しないと、試験問題を解くことはできませんでした。
しかしこれからは、参考書の理解は ほどほどにして、「過去問の解き方を覚える勉強」がメインになります。
つまり、参考書の理解度よりも、過去問を解く力が重要になります。
参考書の内容をそれほど理解していなくても、
問題を解くことさえできれば合格できますからね。
過去問題集をやり込む
簡単に言うと、
「参考書はさらっと読んで、その後は過去問の勉強をメインにやりましょう」
ということです。
極端なことを言うと、問題に対する答えを覚えてしまえば、試験に合格することができます。
これなら、参考書を読む必要はありません。
ただ、勘違いしないで欲しいのですが、「答えを覚えろ」と言っているわけではありません。
「過去問を繰り返し解いていると、答えまで覚えてしまった」という話はよく聞きます。
つまり、過去問を何回も解いて、この域に達することができれば、合格は確実です。
過去問を繰り返し解くことで、解き方を覚えることができます。
さらに勉強を続けていると答えまで覚えてしまう。
これは 過去問を繰り返し やっていれば自然に起きることですよね。
つまり、答えも覚えてしまうほど、繰り返し過去問を解く。
どうでしょうか・・・?
決して、「答えを覚えろ」と言っているのではなく
答えを覚えてしまうほど、繰り返し過去問を解く。
この勉強法がベストではないでしょうか?
試験本番で、問題を見ただけで答えがわかってしまう。
この状態になれれば、最高です。
これなら、試験で時間が足りなくなることもありませんからね。
出題されるのは過去何年分?
では実際に、「過去何年分の問題を勉強したらいいのか?」ということが気になると思います。
なので、令和5年下期 の試験問題を調べました。
|
過去問の出題範囲 |
理論 |
1996年 ~ 2021年 |
電力 |
1997年 ~ 2021年 |
機械 |
1995年 ~ 2019年 |
法規 |
1998年 ~ 2020年 |
最も古い問題は 機械科目の1995年の問題ですね。
1995年といえば今から約30年ほど前になります。
ということは・・・
過去問を約30年分 勉強すれば、ほぼ確実に合格できる ということです。
過去問30年分と言われると結構多く感じますが、今の試験制度なら大丈夫です。
今は試験が 年2回になったおかげで、3年間で6回の試験を受けられます。
6回の試験を受ける間に 4科目合格できればいいので、1回に1科目ずつ受験しても余裕があります。
つまり、1回の試験で1科目ずつ受験すれば、いいのです。
1回の試験で1科目に集中して、過去30年分を繰り返し勉強する。
この方法なら、決してムリではないと思います。
過去問題集の一周目は、初見なので時間がかかりますが、
2周目以降は、解いたことがある問題なので 解くスピードは次第に早くなります。
最初の1周目を頑張れば、2周目以降はどんどん楽になっていきます。
過去30年分の過去問題集?
ここで、1つ 問題があるのですが、
それは、過去30年分の試験問題の入手方法についてです。
一般的に発売されている過去問題集は、10年分です。
また、電気書院からは「過去20年分の過去問題集」が発売されていますが、残念ながら解説が物足りません。
おすすめとしては、以前にも紹介した「誰でもわかる電験参考書研究会」の過去問題集があります。
こちらでは、過去11年分の過去問題集と、それ以前の14年分の過去問題集を発売しています。
2つ合わせると、25年分の過去問題を勉強することができます。
またこちらは、解説がとても詳しいので、その点でもおすすめです。
ただ、こちらを使っても過去25年分なので、30年分には あと5年分足りません、
残りの5年分は、古い過去問題集を「メルカリ」や「ヤフオク」で購入する。
または、ネットにあるものを利用する、ですね。
過去問を YouTube で探す
参考までに、
「橋平 礼さん」のYouTube チャンネル「ハシ・レイ・チャンネル」では、かなり古い試験問題を公開しています。
1992年くらいまでの過去問を公開しているようです。
解説は それほど詳しくありませんが、「古い過去問を無料で入手できる」という点では とても貴重な YouTube チャンネルです。
過去30年分の勉強は厳しいという人は、
とりあえず 過去20年分ぐらいを目安に頑張ってみてください。
余裕があればさらに10年分を追加してみるのも いいでしょう。
結論
結論としては、試験に合格するための勉強法は「過去問中心の勉強」に切り替えるということです。
できれば 過去30年分の試験問題を勉強するのがいいですが、
余裕がなければ 過去20年分ぐらいでもいいですね。