電験入門書は? | 誰でもわかる電験超入門、TAC はじめの一歩
・誰でもわかる電験超入門
・みんなが欲しかった! 電験三種 はじめの一歩
今回は、この2冊の入門書を紹介してみたいと思います。
第二種電気工事士 → 一種へのステップアップ
第二種電気工事士、または第一種電気工事士を取得した人の中には、ステップアップのために電験三種を目指す人もいると思います。
特に一種電気工事士を取得した人は、すでに 二種 → 一種 と順調にステップアップしたのだから、その流れで 電工一種 → 電験三種 とステップアップすることも大差ない・・・と思うかもしれませんよね。
しかし、しかしです・・・
残念ながら 電験三種は甘くありません。
電工二種と電工一種の差は、それほど大きくないと思います。
電圧的には、低圧と高圧なので大きな差がありますが、資格的にはそれほど大きな差はないのです。
実際に、「電工一種を取るのにとても苦労した。」という人も多いでしょう、
また、「電工二種に比べれば電工一種を取得するのは、かなり大変だった。」
そう実感した人もいると思います。
電気工事士試験には技能試験(実技試験)があるので、その点は大変だということも承知しています。
それに比べて、電験三種は筆記試験だけだから、それほど苦労しないで済む・・・・
そう考える人もいるかもしれません。
ただ、その筆記試験が、ハンパ無く難しいのです。
電工一種の次は電験三種
前置きが長くなりましたが、
「電工一種を取ったから、次は電験三種!」と軽い気持ちで臨むと、参考書を開いた時点で挫折するかもしれません。
そうならないためにはどうしたらいいのでしょうか?
数学が苦手な人や電気の理論に詳しくないという人は、まず 電験の入門書 から読み始めることをおすすめしたいと思います。
電気の基礎知識をつけてから、電験の参考書に望む・・・
そうすることで、挫折する率は下げられると思います。
では、私が実際に読んでみた入門書を 2冊紹介したいと思います。
みんなが欲しかった! 電験三種 はじめの一歩
ページ数: 256 ページ
定価 2,200円(本体価格+税)
みんなが欲しかった! 電験三種 はじめの一歩は、色々な資格取得教育に力を入れているTACから発売されています。
TACと言えば、「みんなが欲しかった」シリーズが有名です。
TAC出版では電験のテキスト以外にも様々な資格のテキストを出版していますので、電験のテキストだけに限らず、
・みんなが欲しかった! 税理士 簿記論の教科書&問題集
・みんなが欲しかった! 宅建士の教科書
・みんなが欲しかった! 行政書士の教科書 など、
あらゆる資格のテキストに「みんなが欲しかった」というタイトルがつけられています。
では「電験三種 はじめの一歩」の内容ですが、
第1部~第3部の、全3部で構成されています。
第1部では、
・電験とは
・電験を受験するためには
・試験の概要
・学習方法
・資格取得後はどんな職務を行うことができるか?
このようなオリエンテーション編 から始まります。
これは、
「本書は、電験三種を短期間で合格するための下準備を行う本です」と冒頭にも書かれているようにオリエンテーションに力を入れていることがうかがえます。
その後、第2部では、理論、電力、機械、法規科目のごく初歩的な説明に移ります。
ここでは1科目ごとに15~20ページしか書かれていないので、内容的にはかなり少なく感じます。
これは冒頭に、「試験概要、出題内容をなんとなく把握できるようにしました。」とあるので、なんとなく全体像を知ってもらうために、このような内容になっていると思われます。
一通り読めば、各科目の概要についてなんとなく理解できるので、読んでおいて損はないと思います。
そして、第3部では、電験のための基礎数学の講義が載っています。
全体的にみると、ページ数では、基礎数学の内容が一番多くなっています。
TACの電験参考書シリーズでは、他のシリーズによくある「数学参考書」が存在しません。
その代わりに「はじめの一歩」が出版されているという位置づけのようです。
内容としては分数の計算から始まるので、初歩的な数学からスタートすることができます。
三角関数、ベクトル、複素数も盛り込まれているので、電験で必要な数学は揃っていると言えるでしょう。
はじめの一歩 まとめ
みんなが欲しかった! 電験三種 はじめの一歩では、
「電験とは?」「各科目の初歩」「電験数学」、この3部で構成されています。
これから電験の勉強を始めようという人が、電験入門書だと思って読むと肩透かしを食らうかもしれません。
「電験とは何?」という疑問を持っていて、さらに「数学に自信がないので電験基礎数学を学びたい」と思っている人が購入するにはちょうどいい本ですね。
誰でもわかる電験超入門
ページ数: 256 ページ
定価
kindle版 1180円(税込み価格)Amazon にて販売
DL版 980円(税込み価格)参考書研究会のサイト にて販売
誰でもわかる電験参考書研究会 から出版されている電子書籍の参考書です。
Amazon kindle で購入するより、研究会のサイトで購入するほうが安くなっているようです。
内容としては、電気の初歩的な理論について わかりやすく解説するものですね。
TACはじめの一歩は「電験とは何ぞや?」という説明と、「電験基礎数学」が全体の半分ほどをしめていますが、
こちらは、電気の初歩的な理論について説明されています。
内容としては、ただ電気のことについて説明するのではなく、電気の先生と生徒による会話形式で話が進められていきます。
ここに出てくる生徒ですが・・・・
少し、おバカです。
というか、敢えておバカな設定になっているようで、初歩的な質問をガンガン先生にぶつけていきます。
そのおかげで、先生は本当に初歩的な事から説明をしているので、わかりやすいと言えます。
電験には、理論、電力、機械、法規の4科目がありますが、この本では、ほぼ理論科目の初歩的な説明に限定されています。
内容的には 電気工事士資格を取得した人が最初に読む本としては、最適な一冊ではないでしょうか。
誰でもわかる電験超入門 まとめ
誰でもわかる電験超入門は、電気工事士資格を取得した人が、電験にステップアップするために最初に読む本としておすすめできる一冊です。
基礎数学については書かれていないので、数学に自信のない人は別途「電験数学参考書」を購入する必要がありますが、
これを読んでから理論の参考書を読み始めれば、スムーズに勉強をすすめることができます。
すでに電験の勉強を始めているが、「難しくて困った・・・」と思っている人も、まずこれを読んでみるのがいいと思います。
電気工事士から電験三種にステップアップを目指す人が、いきなり電験の勉強を始めると挫折することもありますので、まず入門書から読み始めることをお勧めします。